鈴鹿川水系におけるネコギギの地域名につい


 鈴鹿川流域におけるネコギギは、当会「水辺づくりの会 鈴鹿川のうお座」の流域調査結果から、かつては鈴鹿川の中流域から上流部にかけて、鈴鹿川本流、加太川、安楽川、御幣川及びその支流河口部といった鈴鹿川の幹川部に広範囲にわたり生息していたようである。
 安楽川中上流部及び加太川を除き、生息密度の濃い地域が少なかったこと、また生息数の多かったアカザとほぼ同じ大きさで、手に持てば同様に刺されること、生息地が重なり合うことなどから、ほとんどの地域において、アカザの色違いのものと考えられて、一部の地域においてのみ固有の呼び名を持っていた。


  ネコギギが固有の呼び名を持つ地域とその呼び名
河川名 地区名 固有の地域名
加太川 関町加太地区 ギギン
加太川 関町加太神武 ギンギン
鈴鹿川 関町木崎(東新田) ギンナマズ (※アカザは「キンナマズ」)
鈴鹿川 鈴鹿市八野町 ギン
安楽川 亀山市安坂山町坂本 クロナマズ (※アカザの「アカナマズ」に対し。本物のナマズは見られない。)            
 〃  〃  安坂山町池山 ナマズ (※大きくなるナマズは見られない)
 〃  〃  安坂山町西安楽 ナマズ (※稀に見られる本物のナマズは大きいため「オオナマズ」と呼び区別)
 〃  〃  両尾町 クロギンタ(※アカザは「ギンタ」)
安楽川 亀山市田村町 (アカナマズノクロ)
御幣川 鈴鹿市東庄内町 サシ (※アカザは「アカザシ」)


※ 当会「水辺づくりの会 鈴鹿川のうお座」の流域調査(流域農業集落高齢者聞き取り調査)による。(2002.12〜)
 この調査から、鈴鹿川水系におけるネコギギの主な分布水域は、次の通りであった。(沿川のほとんどの集落から生息の回答が得られた。)
  本  流 鈴鹿市井田川地区から関町市ノ瀬地区 (及び周辺支流)
  加太川 関町西新田から加太地区 (及び周辺支流)
  安楽川 鈴鹿市井田川地区から亀山市安坂山町 (及び周辺支流)
  御幣川 亀山市川崎地区から鈴鹿市小岐須地区 (及び周辺支流)

※ この他、椎山川、内部川水系の鎌谷川・足見川でいたとという証言が得られた。しかし、「いた」という回答者数がわずかであるため、追加調査が必要とされる。
   また、平行して聞き取り調査を行った中の川では確認されず



 ※ 「水辺づくりの会 鈴鹿川のうお座」による流域調査は、調査対象年代を1935年(昭和10年)頃と想定し、流域の農業集落単位に70歳〜80歳台を中心とした高齢者から、その少年時代の記憶を調査している。 2002年12月から実施中のもので、主としてカラー写真を用いた対面による聴き取り調査方式を取っている。




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